2017年度第4組 組制執行にあたって
「一人(いちにん)の念仏者の誕生を願って」
2017年7月26日
第4組組長 北 秀 継
本日は、第4組関係各位には、それぞれご多用の中にもかかわらず、ご参集賜り誠に有り難うございます。平素より皆様方には、第4組の運営並びに教化事業に深いご理解とご協力をいただき、衷心より厚くお礼申し上げます。組長二期目となりました。マンネリ化に陥ることなく、初心に帰って、副組長、教化委員会と連動しながら、色々な問題に対応していきたいと思っております。
総会の議事に先立ちまして、執行部の所信表明を兼ねて指針を述べさせていただきます。
- 組制の基本原則の確認
組が、共同教化を推進する大切な機関であると言われます。1ヵ寺のみで教化事業を行うことの困難さから、組の主催によって共同で教化事業を行う事が定着し、長年にわたる教化委員会の活動は組制の生命線事業です。しかし、ここで注意しなければならないことは、単にみんなで教化事業を行うから「共同教化」といわれてきたのではないということです。
やはり、一ヵ寺一ヵ寺が地に足をつけて、眼前の門徒とともにお寺を真に聞法の道場へと回復していく歩みを支援することが組の役割であり、そのための共同教化の事業であると思います。組制(組の組織)は、その目的のためにあることを、確認いたしたいと考えます。
また、59ヵ寺という大所帯の4組にあっては、組全体で行う教化事業にも限界があり、昨年度から5地域を設定し、各地域における教化事業を行うことにより、細やかな共同教化事業を展開することが本格的に始まりました。
この5地域での教化事業は、地域の事情や独自性に委ね、各住職・若院等が企画段階から参加し責任を持って執行に当たっていただき、その地域における僧俗あげての教化事業展開となることが大切なことであります。むろん、地域事業は、地域に任せきりではなく、組教化委員会を中心として各地域の連携を密にし、確認、点検、見直しをしながら執行していただきたいと思います。
- 時代状況と4組の課題
現代社会は、核家族と少子化に象徴されるように、今まで繋がってきた血縁、地縁が全く機能しない社会となりました。それは、親から子へ、そして孫へと伝えるべき「お念仏」の伝統が、繋がらない社会であり、当然、葬儀・法事が、簡素化され、真に御仏事としての儀式の願いが分からなくなってきた状況が生じています。札幌を中心とした地域も、まさにこの現況を呈していますが、単に社会的な時代の現象だとするのではなく、私たち自らの課題として受け止めねばなりません。
そこで4組は、このような多岐にわたる問題に対応するために、新教化委員会と綿密に連携しながら、常に、組制諸事業を見直し課題を確認しながら、歩みを進めてまいりたいと思います。
- 今年度の方針
組の使命である共同教化によって、教勢の確保・拡大をはかるということは、単に寺院が増え門徒が増えることではなく、すそ野の広い教化事業が展開されるということ、また一方では深く聞法される人(念仏者)が誕生するということ、この二方向の展開にその命があると思います。そのような、視座から、概ね次の諸点について、このたびの総会に提出いたします。
・交付金動向を重視しつつ組制諸事業の充実をはかる
現在、新教化委員会では、『求道者たれ、ともに求道者たらん~自信教人信の誠を尽くす~』を教化テーマに掲げ、活動が始まりました。前教化委員会からの継続事業もあり、教化活動の大幅な見直しは次年度から着手したいという教化委員会からの要望がありました。執行部としては、教化委員会の取り組みを支援していきたいと考えています。
さて、組の諸事業を行うための財源は、各寺院から拠出いただく組費のほか、当組各寺院が納金された本山経常費に対する交付金や教区費に対する還付金が主たるものです。特に、本山からの組交付金は、当組の歳入総額の三分の一以上を占める主たる財源であり、この組交付金は右肩上がりの増収が続いていましたが、2015年度から減収に転じました。昨年度から、各種会議手当を半額支給という心苦しい方策でしのぎ、今年度予算案においても、会議手当の半額支給が、先の臨時総会で決定しています。
しかし、今年度交付金は、昨年度対比で約35万円の微増となりました。いずれにしても、交付金の増減が教化事業予算に影響を及ぼすことであり、今後も毎年3月末の4組の経常費収納状況を精査し、早めに次年度の交付金額の予測を立てたうえで事業計画及び予算策定作業にあたってまいります。
このような本山経常費の収納動向は、各寺院の法務状況を反映していることでもあり、今後も経過を注視し、教化委員等の労に報いるためにも会議手当金額の回復も図りながら、更なる有効な教化活動の策定実施のため組内各位のご協力をいただきたいと願っています。
しかしながら、交付金の減収という事態にあたり、交付金だけを頼りに組の教化事業等の予算を組んでよいのかという問題も提起され、組の運営の根幹や本質が問われてもいます。また、経常費負担を院号のみに頼っている多くの寺院の現状についても一石を投じられた課題でもあります。執行部としては、これらの課題を組内で共有する必要性を痛感し、検討論議を始めなければならないと考えています。
・第4組ホームページ
第4組ホームページを、開設して3年目となります。ホームページの更新等にいまだ慣れず、更新の遅れも指摘されています。今年度は、ホームページの有効活用を図るため、関係各位と真摯に相談しながら、管理体制を整え、ホームページのコンテンツの充実を行っていきたいと考えています。
第4組のホームページは、内部向けのHPではなく、札幌圏の真宗門徒、あるいは一般市民向けに開設したものです。気がついた点から、随時、改善していく方針でありますので、お気付きの点があれば、是非執行部にお知らせ願い、組内皆様のご協力によって、このホームページをお育ていただきますようお願いいたします。
・組門徒会改選期
2018年3月は、組門徒会員の改選期にあたっています。現在、第4組においては、各寺院より女性を含む2名の門徒会員の選出となっていますので、期日が近づいてから2名の選出が難しい寺院は、今から準備を整えて、男女共同参画による宗門活動の推進を進めようという趣意に添うよう、心がけ願います。
以上、本年度の指針を申し述べましたが、組執行部としては、まずは、教化委員会の取り組みに期待をしています。現在の4組の現状を常に危機的状況と認識し、本来化への弛(たゆ)まない歩みを組内各位の叡お意見をいただきながら進めていく所存ですので、ご理解・ご協力を切にお願い申し上げます。
以 上