社会教化部門現地学習会(沖縄)
日時:2022年7月4日~6日(2泊3日)
会場:沖縄別院、フィールドワーク(後述)
テーマ:沖縄差別と在日米軍基地
講師:知花昌一氏(大谷派僧侶・元読谷村議員)
長谷暢氏(大谷派僧侶)
金井創氏(日本キリスト教団佐敷協会牧師・平和ガイド)
参加人数:9名(部門員3名、執行部3名、組内参加者3名)
【報告】
今年の3月より延期していた現地学習会を7月4日から6日まで実施した。沖縄別院を会場に知花昌一氏より講義をいただいた。テーマでもある在日米軍基地について、日本にある米軍基地の多くが沖縄に建設されているという現状について「沖縄ならいいだろう」と押し付けてきた事実と問題性、また過去の戦争の敗戦から続く構造的沖縄差別ということを中心に講義をいただいた。講義の後の質疑では「現在世界では戦争・コロナ・環境問題など様々な問題が起こっているなかで今の課題は何ですか?」と尋ねたところ、知花氏は「今こそ戦争反対、非戦であるということではないか」とおっしゃっていた。私自身、過去の沖縄における戦争の悲惨さから何を学び、今何を問題にして生きているのか。そして大経に説かれている「国豊民安 兵戈無用」という教えをもう一度よく考えなければならないと感じた。
講義後のフィールドワークでは長谷暢氏、金井創氏より丁寧な説明と課題をお話しいただいた。嘉数高台(太平洋戦争で沖縄戦最大の激戦地となり、多くの方が犠牲となった地。高台からは普天間基地を見ることができる)と、建設が進む辺野古基地を視察し、オスプレイによる騒音被害や、基地建設による環境破壊、生き物の生態系の変化等、現地を視察し金井氏より話を聞くことで問題を肌で感じることができた。その後、糸満市にある平和祈念公園を視察した。平和祈念公園は、今なお沖縄戦で亡くなられたすべての方の名前を刻み続けている平和の礎があり、国籍や民間人などの区別なく、戦争で亡くなったすべての方を悼み、世界に平和を願う心を伝えたいという願いがある。また、摩文仁の丘では各都道府県の慰霊碑の碑文を対比しながら視察し、その後に北霊碑(北海道の慰霊碑)、沖縄菩提樹苑等を視察した。
今回の研修テーマである沖縄差別ということを考えてみると、日米地位協定の問題や「政治的には沖縄しかない」と押しつけてきた基地問題、それらの問題の根底にある、過去の戦争において沖縄が地上戦の戦地とされ多くの命が奪われた事実など様々な問題があった。そして、自分自身がその事実に無知であり悲しみの声を聞こうともせず過ごしてきたところに沖縄差別という問題を考えさせられた。今回の研修で感じたことはこれから先も学び続けていきたい。
最後に、お忙しいなか講義頂いた知花昌一氏、長谷暢氏、金井創氏には感謝申し上げますと共に、ご参加下さった皆様、また現地学習会の実施にご理解頂きました組内の皆様におかれましても重ねて感謝申し上げます。