2017年度〜2019年度部門三カ年方針
真宗大谷派 北海道教区 第四組教化委員会
2017年度〜2019年度部門三カ年方針
『 同朋部門 』 部長 円浄照康
先日、今年度から三ヵ年の教化委員会テーマとして、吉田敦史教化委員長より「求道者たれ ともに求道者たらん~自信教人信の誠を尽くす~」と示された。『御文』の一帖目一通には自信教人信を尽され、御同朋とかしづく親鸞聖人のともに歩まれたお姿があります。宮城先生は、「念仏者が「御同朋」なのではない。念仏者の集いが「御同朋」なのでもない。念仏者とは一切衆生、一切の人間を「御同朋」として見出していく。そういう心をたまわったものであり、その歩みを開かれたものだというべきではないか。」と言われます。
前期「親鸞人生フォーラム」に参加されたご門徒さんが講義を聞いて、「仏教とはこういうものなんだと、上からの目線で話をされると思っていたけれど、そうではなかった。」と言われたことを思い起こします。その時、講師の仁禮先生は、壇上で大粒の汗をかきながら赤裸々にご自身のいただきをお話して下さいました。それはご門徒さんや学校の生徒たちとの関わりの中で自らの我愛の深さを知らされていった姿でありました。「フォーラム」に参加されたそのご門徒さんが、「自分も先生と同じだ。」と言われた一言が胸に残っています。
私たちはどこへ行っても、他者と一枚岩であることが難しいと知らされます。それは同朋部門内においても例外ではありません。我を通し、自己保身に終始する私が、どこで「御同朋」という言葉をいただけるのだろうか。如来の教法によって、他でもない私自身が一切衆生のひとりであったと知らされるところに、「御同朋・御同行」としての歩みが始まるのだと受けとめさせていただき、ともに今期教化委員会のテーマ、宗祖の言葉に立ちかえり、同朋部門の三ヵ年を活動していきたいと思います。
『 寺属教化部門 』 部長 宮本浩尊
私たち寺属教化部門は、寺属(寺に身を置き所属する者、具体的には住職・若院・坊守・准坊守・法務員など)を対象にした研修事業を行う部門です。
私たち寺属は、日々の法務を通して御門徒に仏法を伝える営みをしています。しかし、その営みは、ともすれば「教化者意識」に基づいたものになってしまいます。この意識は、教化する側(能化)と教化される側(所化)という区別を生み出すことになるでしょう。しかし、宗祖親鸞聖人は、真宗僧伽の姿を「御同朋・御同行」という言葉で表現されました。この言葉は、私たち寺属が仏法の伝達者ではなく、常に御門徒と同じ「聞法者」であるということを意味するものだと思います。つまり、私たち寺属も「聞法者」として聞法の場に身を置くことが求められていると思います。
寺属教化部門では、私たち寺属が聞法する場として、秋安居と寺属学習会という二つの事業を計画しています。
『 社会教化部門 』
同朋会運動発足以来、真宗大谷派は様々な社会問題を取り上げ、宗派としての立場を公に宣言してきました。しかし、そのことは一人の思考を停止させ宗派宣言ありきの学びとして現在に至っているものと考えます。
そもそもなぜ、宗教者が社会問題に目を向けるのか、そして、そこから何が問われるのかということを、現代において今一度確認しなければなりません。
そこで今期の社会教化部門では、教化委員長の掲げる「求道者たれ、ともに求道者たらん」という教化テーマを受け、まず社会問題を創り出す人間の抱える「闇」という問題を御聖教に問い、そして専門性の学びを深め、公開性のある発信の場を整えていきたいと思います。
「宗教者」(教えを拠所とするもの)としての立ち位置を徹底するとともに、宗祖の「弥陀の五劫思惟の願をよくよく案ずれば、ひとえに親鸞一人がためなりけり」との御述懐から、今期総じて社会問題が其々に「私一人の問題」となることを切に願うものであります。
『 青少年部門 』 部長 巌城孝一
私自身青少年部門に身を置いて十年目になりますが、思い返しますと、子ども会が始まると日程に追われ、レクのジャージに間衣を着けて勤行したり聴聞してきた自分の有り方に、今になって疑問を感じています。「勤行本は床に置かない」「念珠は大切に扱いなさい」「頭礼をしなさい」と口では子ども達に指導するものの、私がどのように聴聞してきたのか、どのようにお勤めをしてきたのかを思いますと、その姿勢は、何が本当に大切なのかがブレていたと言わざるを得ません。
「自ら信じ 人を教えて信ぜしむる」ということは、私がスタッフとして一段上に立ち、人に何かを教えるのではなく、どこまでも私自身の姿勢が問われているのだと受け止めています。
この三カ年はその都度、教化テーマにかえりながら、多くの人達との出遇いや関わりを通して、一人一人が「如来によって教化される者」として、自分自身のあり方や姿勢がいつも問題になるよう、歩んでいきたいと思います。
また、この三年間は派遣事業にも力を入れて、組内寺院・地域に新しい子ども会が立ち上がることを、必ず成し遂げたいと思います。
組内各御寺院の皆様方におかれましては、青少年教化活動に、より一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
『 地域事業部門 』
2008年から組を四地域に分割して実施されてきました地域事業ですが、昨年度より五地域制へと改変され、各地域の研修活動がより一層充実されていくことが願われています。そのために以前より実施されていました地域独自の研修事業と併せて、同朋部門が担当してきました「お内仏のお給仕(真宗基礎講座Ⅱ)」が各地域に移行されました。地域の改変など初の試みとなることもあり、多くの課題を残すことになりましたが、それらを新たな教化担当幹事の基で一つ一つ解消してまいります。
そして、今期三年間におきましては、昨年度同様に「お内仏のお給仕」と地域独自に企画された研修事業との二事業を実施してまいります。「お内仏のお給仕」は昨年の反省を生かして各地域の実情に合わせ、僧俗共に生活の中心となる「お内仏」について研鑽を深めていこうと考えています。また推進員教習のカリキュラムとして明確にできる方策もとってまいります。企画研修におきましては地域内の住職はじめ、衆徒の皆さんの意見や課題を取り入れ、聖教学習や儀式作法、宗政や宗門の歴史といった寺属の研修や学習、または総代研修・婦人研修・講演会など、僧俗共に学ぶことを願いとする多様な門徒研修事業等を企画・実施いたします。
宗祖の七五〇回御遠忌と両堂等御修復が終了し、新たに宗祖誕生八五〇年・立教開宗八〇〇年を迎えるに当たり、各地域の聞法活動がより活発になるための一助となるよう努めてまいります。
『 坊守事業部門 』 部長 熊澤ゆかり
坊守事業部門は、前期に引き続き年に一度公開講演会を開いていきたいと思います。これまで通り各寺院の坊守様宛に案内状を送付し、ご門徒さんに参加の呼びかけをお願いして、様々な垣根を越えた仏法聴聞の場を設けていきたいと思います。坊守会役員のほうも四組全寺院に参加を呼びかけ、参加人数を確認し、より多くの方が参加して下さるようコミュニケーションをとっていきたいと思います。
そのような場を設ける事によって『求道者たれ、ともに求道者たらん』の教化テーマのように求道者であることを自覚し、この三年間をともに聞法していきたいと思います。