2024年度青少年部門 スタッフ研修会
日時:2024年12月16日(月)15:00~17:30
会場:北海道教務所講堂
講師:小川如俊 氏(第四組大恩寺住職)、塚本可奈子 氏(株式会社 明学舎ぽぽろ)
参加者:16名
本研修は、テーマ「青少年教化活動の今までとこれから ・子どもたちに向き合う・」を掲げ、上記二名の講師をお招きした。
小川先生は、教化委員会の青少年部門部長などを歴任されている。その豊富な経験から、講義では青少年教化の「今まで」を交えつつ、「これから」を共に考えるうえで大切なことを示してくださった。先生が手がかりとして残したのは、「おとなも こどもも ほとけの子」「点から線の教化へ」「まず私が」の三つと、法話に関する「5段法」である。私たちは「教化する側」に慢ずるためではなく、凡夫の自覚を促されもして教化の現場に立たされている。その促しは世代の別を超えており、すべての人が「参加者」として教化を受け継ぎ、次世代に繋いでいくことが願われているのではないだろうか。


塚本先生は、発達障がいをもつ子どもたちを支援する、放課後等デイサービスに長年携わってきた公認心理士の先生である。本研修会の副題には「子どもたちに向き合う」が掲げられている。現代、子ども会等の開催にあたってはコンプライアンスの徹底が求められている。そのためにも、子どもたちが抱えている様々な事情への理解は欠かせない。そうした事情の一つとして、発達障がいについて知ることは重要である。塚本先生の講義は、確かな経験と専門知とに裏付けられて、発達障がいの実際を詳しく示しつつ、私たちが今すぐ実践可能な工夫まで提案するものであった。発達障がいの中には、極端なこだわり、著しい不得意、協調の困難などを伴うものもある。これらを性格ではなく特性に由来するものと理解することで、適切なコミュニケーションと、先生が問題の本質だと指摘する「2次障害」を防ぐことにも繋がるのである。


本研修では、青少年教化の現場に立つうえで大切なことを講師のお二人それぞれから学ぶことができた。このことは、私たちに不足している知識の充足としてだけでなく、今後、教化の姿勢そのものを転換させる機会としても振り返られていくだろう。
報告者:高津隆苑