2023年度寺属教化部門『秋安居』
日時:6月3日(月)11時~17時半・6月4日(火)11時~17時
会場:北海道教務所(講堂)
講師:東舘 紹見 氏(2022年度安居次講々者、大谷大学教授)
構題:『親鸞聖人伝絵』考察
内容:講義・座談
参加者:
3日 参加13名・助言指導4名・教化執行部4名・組執行部3名・部門員5名
4日 参加12名・助言指導4名・教化執行部4名・組執行部3名・部門員5名
計33名 27ヶ寺
上記の日程で秋安居が開催されました。今回の秋安居は講義数をコロナウイルス感染症流行前の6講義に分けて開催しました。講師に本山安居次講々者の東舘紹見先生をお迎えし「『親鸞聖人伝絵』考察」を講題にご講義いただきました。
一日目の講義は、親鸞聖人が生きられた時代背景や社会情勢、また、どの様な家柄に生まれどの様な身内との繋がりの中で仏道を歩まれていたのかということを中心にお話くださりました。
二日目の講義は、親鸞聖人の娘である覚信尼が廟堂の地を息子の唯善にではなく門弟に管理・監督の権限を委ねられた理由、伝絵の内容、特に『廟崛偈』や『宿報偈(女犯偈)』についての受け止めをお話くださりました。
講義全体を通して、覚如上人が『親鸞聖人伝絵』を製作された意図を確かめたいという願いが根底にありました。先生は、親鸞聖人が生き尽くされた「人間の我執的な関心が寸分も介在しない阿弥陀如来回向の他力の大信心の上に開かれる往還二回向」の教えを「中世社会という身分社会の枠組みが厳しい中でどうやって皆と確かめていくのか」そのことを覚如上人は一番大事にされていた。そこに製作の意図があり、決して権威を示す為に伝絵を作られたれたのではない、とご教示くださりました。
両日とも講義の後に4班に分れての座談会を行いました。講義の内容や講義を聴いて日々の生活から問われることなどが話し合われました。両日とも日程の最後に助言指導の先生より座談会で話し合われたことを発表していただき日程を終了しました。
最後に遠方よりお越しいただいた東舘紹見先生、座談の司会進行を勤めていただきました助言指導の先生方、並びにご参加いただいた組内寺院の皆様方に深く御礼を申し上げます。ありがとうございました。