石狩南地域 寺属学習会
日時:2022年2月14日(月)13時30分〜15時30分
会場:オンライン(zoom)
講題:「北海道開拓開教150年」
講師:中西志香 氏(北海道教区駐在教導)
参加人数:12名
今回の学習会は、元々はコロナ禍以前に門徒研修会として実施予定だったが、事態収束の見通しが立たないため、対象を寺属に変更して実施した。
事前協議では集会型での実施であったが、新型コロナの感染が再拡大したために、急遽全ヶ寺にアンケートを実施した結果、オンラインでの開催の運びとなった。
なお、講題を「開拓開教150年」としているが、この文言の問題も含めた学習であることを事前協議の場で確認の上で開催している。
中西氏は「北海道開拓史をどのようにいただくか」というサブテーマを設け、開拓史の一次資料と諸研究者の言葉を紹介しながら北海道の開教史を学ぶ視点について講義された。
「開拓」という言葉は先住民アイヌと入植者の歴史観の問題、「開教」という言葉は松前の専念寺や組内では能量寺が明治以前より聞法の場を開いていたという歴史から、その使用には教団内外でデリケートとなっていることをお話いただいた。
また、先住民差別の根底にあるものの一つとして、先住民と共に開拓して恩義を感じている開拓1世の感覚と、北海道に生まれ育ち、この場が和人のものという2世以降の感覚の違いについて、ご自身の体験を踏まえながらお話いただいた。
「開教史を功罪の二元論ではなく、これを機に新しい視点で頂き直していく」という中西氏の言葉は、どこかで許しを求めて決着していこうとする私の思いを見透かされている言葉に思えた。北海道で生き続けていこうとする者として、本当に助けられるべきは誰かという問いかけをいただくご縁であった。
報告者:阿部 智